豊かな表情を大切にする欧米では、健康的で美しい歯並びは、もはや常識。
矯正についての意識が高いのも当然かもしれません。
そして、ひと昔前は八重歯がチャームポイントとされた日本でも、
最近では歯並びに関する考え方が大きく変化し、歯科矯正を希望する人も増えてきました。

しかし、歯科矯正は本来、見た目だけを問題にしているのではありません。
歯並びは「噛み合わせ」に影響を及ぼし、さらに心と体の健康に通じます。

その歯並びを治す歯科矯正を行うことで、
歯の正常な咀嚼機能を取り戻し、
健康美あふれる笑顔を手に入れることができるのです。

他にも、歯並びが良くなると――
 ・歯の掃除が容易になり、虫歯や歯周病になりにくい
 ・しっかりと噛んで食事ができ、消化しやすくなる
 ・あご関節や筋肉の痛み、疲れ、頭痛や肩こりが解消
 ・正しい発音ができ言葉が明瞭に
 ・手で口を隠すことなく自信を持って笑える
というメリットがあります。

悪い歯並びってどういうもの?

歯並びが良い・悪いは、単に見た目のキレイさで判断されるものではありません。
ポイントは、噛み合わせが正しく、
歯本来の機能をきちんと果たしているかどうかにあります。

良い歯並びとは――噛み合わせが正しくできていること。
噛んだときに上下の歯の位置にズレがなく、すべての歯がきちんと重なっている状態をいいます。

「出っ歯」

歯が折れたり唇を切りやすい。また、口を閉じにくいなど、見た目の問題も。
発音障害や口呼吸による内科的疾患の引き金にもなるため、早期治療が望ましい。
原因==「歯性」と「骨格性」に分類される。

「受け口(反対校合)」

下の前歯が前方に出ているため、 噛み合わせが上下逆になっている状態。
前歯で物が充分に噛み切れず、重心が前方にズレているため首や肩のこりの原因に。
原因==下あごの発育が大きすぎる、または上あごの発育が小さすぎるため。

「開咬」

奥歯で噛んでも前歯では噛んでいない状態。
口を閉じにくいので口内が乾燥しやすく、歯周病の原因に。
開咬による顎関節症の可能性もあり。
原因=指しゃぶりや舌の突き出し癖、口呼吸などの習癖。遺伝的な場合もある。

「過蓋咬合」

噛み合わせが深く、下の前歯が見えない状態。
下あごの運動が妨げられるため、顎関節症などの病気の一因になる可能性がある。
原因=あごの骨格が噛み合わせを深くしやすい形の場合。
奥歯が抜けて噛み合わせの高さが合わなくなることも。

「上下顎前突」

上下の歯、歯槽骨が前方に飛び出しているため、口が閉じづらい状態。
一見普通だが、横顔を見ると唇が突出して見えるのが特徴。
原因=歯のサイズが大きすぎ、あごの骨の上に並びきれないため。

なぜ歯並びが悪くなるの?

歯並びが悪くなる原因は、大きく分けて2つあります
それは先天的原因と後天的原因です。

先天的原因

顎の骨の大きさ、形、歯の形、本数などは遺伝によって決まり、受け継いだものが原因で歯並びが悪くなることがある。
胎内での成長中の障害、あるいは母体の健康状態や栄養などの影響も考えられる。

後天的な影響

生まれた後の病気や栄養状態、
乳歯や永久歯の虫歯の影響、抜歯の放置、指しゃぶり癖など。

キレイな歯並びになるための4つの注意ポイント

では、歯並びが悪くならないためにはどうすれば良いのでしょう
普段の生活の中で気をつけるべき4つの注意ポイントをご紹介します。

食生活

やわらかい食べ物を好んで食べる習慣のある人は要注意。
あごがしっかりと発達せず、バランスの悪い歯並びに!!
歯を正しく使うことであごを含む顔が発育します。
顔が正しく発育すれば歯は正しく並びます。

乳歯

どうせ生え替わるからと乳歯を軽んじたり、虫歯を放置するのはダメ!!
乳歯の早期喪失や晩期残存、永久歯の虫歯や歯周病などによって
その歯が早期に抜け落ちてしまう状況が重なると、
歯並びがデコボコになることも…。

指しゃぶり、爪を噛むなどの癖を長く続けていると、前歯が咬み合わなくなります。
乳幼児の場合、まだ小さいからといつまでも放置しないように気をつけましょう。

呼吸

健康的に良くないとされている「口呼吸」は歯にとってもトラブルの元。
口呼吸を続けていると口内が乾燥して病気に対する抵抗力が弱まり、
虫歯ができたり顔の発育への悪影響を及ぼします。

矯正をしないとどうなるの?

では、悪い歯並びを放っておくとどうなるのでしょうか。
まず問題なのは、虫歯・歯周病になりやすいということ。
きれいに並んでいない歯は毎日ブラッシングしたとしても隅々まで清掃が行き届かず、様々なトラブルを引き起こします。
また、歯の機能を十分に発揮できないためうまくものが噛めず、胃や腸に負担を与えることもあるでしょう。

その他にも、
◆噛み合わせや歯の状態によっては、「サシスセソ」などの摩擦音を出しにくい。
電話越しの会話が聞き取りにくい、英語の発音がうまくいかないなど、ビジネス上で不便さを感じる人もいます
◆あごがうまく成長しないなど、 発育不足を起こすことがあります。
◆外見上のことでコンプレックスにつながるなど精神的負担も。
矯正治療後に性格が明るくなったり、活発になったりすることはよくあります。
◆歯並びは全身の健康にもつながっています。
腰痛・頭痛・肩こりの原因が歯からきていることは少なくありません。

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